【投資で使える心理学】これだけは知っておきたい35の人間心理


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お金の教養コラム
清水
こんにちは、清水(旧姓成川)です。

あなたは、「投資」をしていてこのような悩みを持ったことはありませんか?

  • 損をするのは嫌だけど、未来のことだからわからない。
  • 値動きに一喜一憂してしまい疲れてしまった。
  • 値上がると思って買ったものの、予想に反して下がってしまった。(その逆も同様)
  • 指標、業界、銘柄、決算資料などを分析する知識や技術が必要で大変だし時間が足りない。
  • 投資の知識・技術はあるのになかなか投資成果が出せていない。 など

投資において未来を予想して成果を出すのはなかなか難しいですよね。値動き、ニュース、指標、資料だけで予想をしていませんか?

あなたを含め投資を行うのは大半が人間です。そのため、市場は人間(投資家)の心理が大きく影響をしていると言われています。

人の心理を知らずして投資で成功することは難しいです。なので、ここでは投資でよくある35の人間心理を紹介します。

心理を知ることで、今後失敗の防止など理想の投資成果につながれば本望です。

 

【投資と人間心理】失敗したくない・損失を認めたくない9つの心理

【投資と人間心理】失敗したくない・損失を認めたくない9つの心理

 

せっかく資産を増やそうと思って投資をしているのに資産を減らしたくないですよね。失敗したくない、損失を認めたくないという気持ちが投資判断にも影響しやすいです。このような心理があることを知っておけば間違った投資判断を防げるかもしれません。

 

1.サンクコスト「取り戻すことができないコスト」

事業や行為に投下した資金・労力のうち、事業や行為の撤退・縮小・中止によっても戻って来ない投下資金または投下した労力のことです。 埋没費用 ともいいます。

参考例
  • ここまで頑張ったのに今さらやめるのはもったいない!
  • 自分で時間かけて調べて、間違いなく良い投資先だ!と判断してけれど株価が上がらない
    でもしっかり調べたから間違いないはず!

時間、労力、資金を費やしたぶん、結果が間違っていたとしても人はその事実をなかなか受け入れることができないことってありませんか。

 

2.現在志向バイアス「未来より今を優先する」

未来の利益よりも目先の利益を優先してしまう心理です。

参考例
  • 買った瞬間に10%の下落を経験したのと半年保有した後に10%の下落を経験した時では
    買った瞬間のほうが心理的負担が大きい。
  • 未来には損になるかもしれないけれど今ほしいから買う。

未来よりも現在を優先してしまう傾向ってありませんか。

 

3.損失回避「利益よりも損失の方が苦痛は大きい」

人は損失を0にしたい心理がリスクを選ぶ原動力。利益でうける効用より損失からうける苦痛の方がはるかに大きいです。

参考例
  • 損失を出しているのにもかかわらず、取得単価を下げようとして値が下がった時に何度も追加で買ってしまう(ナンピン買い)
  • 損を出した後にとりかえそうと過剰にレバレッジを掛けて投資してしまう

損や失敗で精神への苦痛が大きいですよね。その苦痛を緩和したい、取り返したい気持ちが間違った判断をさせてしまうの場合があるのかもしれませんね。

 

4.ツァイガルニク効果「失敗は記憶に残る」

人は達成できなかった事柄や中断している事柄のほうを、達成できた事柄よりもよく覚えているということです。

参考例
  • 利益を確定したあとに値上がりしたことがいつまでも記憶に残っている
  • 含み損だった銘柄がやっと含み益に転じたときに満足感を得る

後悔や現状をどうにか好転させたいという気持ちが人の記憶に残りやすくさせているのかもしれませんね。

 

5.プロスペクト理論「利益は確実に、損失は回避したい」

同じ金額のお金でも貰うよりも失うほうが大きく感じる心理状態のことです。

参考例
  • 10%の利益は少なく感じ10%の損失は大きく感じる。
  • 100%の確率で100万貰えるのと50%の確率で何も貰えないまたは200万円貰えるという

どちらかを選択をする場合に100%の確率で100万貰える確実な選択をしたくなる。損をしたくないという気持ちの方が強く働きやすい。そのため確実に損をしないものを選ぶ傾向が強いのかもしれません。

 

6.後知恵バイアス「終わってからなら、何とでも言える」

物事が起きてからそれが予測可能だったと考える傾向です。

参考例
  • 昨日買っとけばよかった・売っとけばよかった
  • ああしとけばよかった

現在や過去におこった結果から過去の行動に評価したり後悔すること心理ですね。

 

7.自己欺瞞「株価が下がってるのに、上がる理由を探し始める心理」

自己欺瞞(じこぎまん)と読みます。 自分の良心や本心に反しているのを心のどこか知りながらも、それを正当化している状態です。

参考例
  • 株価が下がってるという状態を無視して、上がる理由を探し始める。
  • 失敗を認めず自分を正当化しようとする。

自分の判断は正しかったと思いたいですよね。

 

8.正常性バイアス「ストレス回避の心の平安をもたらす」

予想外の事態になったとき、「ありえない」という先入観や偏見(バイアス)が働いて
物事を正常の範囲だと自動的に認識する心の働きです。

 

参考例
  • 下がっているけどまだ大丈夫と思う。
  • マイナスなニュースや悪い状況に対してたいした問題じゃないと認識する。

未来がどうなるかわかりませんが現在の悪い状況に対して軽視してしまうようですね。

 

9.認知的不協和「含み損を抱えている時に起きる心理現象」

含み損を抱えている時に起きやすい心理現象です。
それまでの行動内容とは矛盾する事実を突きつけられると、不快な感情を引き起こします。
その結果、自分の信念や行動と事実のどちらか一方を否定して矛盾を解消しようとする働きです。

参考例

・含み損がふくらんでいる状況でたいした問題じゃない
・予想に反する結果に対し、時期がわるかったと思う

マイナスな状況においてまだ大丈夫だと思いたくなりますよね。
時には早い決断、損切りが大切ですよね。

【投資と人間心理】偏った情報によって間違った判断につながる11の心理

11の心理

投資判断って難しいですよね。正しい判断をするために情報を集めたり基準や法則などを決めたりしますよね。投資判断においても心理は大きく影響します。投資判断と心理を紹介します。

 

投資・人間心理10 印象や基準にひっぱられる(アンカリング効果)

最初に印象に残った数字やものがその後の判断に影響をおよぼす心理です。

参考例
  • 以前高値で今は下がっているけどまた以前の値段にもどるだろう。
  • 現在暴落しているが一時的なものだろう。

過去は過去ですよね。あなたの予想通りになれば良いですがそうでない場合もありますよね。

 

11.バントワゴン効果「流行りにながされる」

世の中で流行しているというだけでその流行物への価値を高めてしまうことです。

参考例
  • 皆が持っているから安心な銘柄だ。
  • 今皆が注目しているから価値が高い。

多くの人が価値があると思っているものは価値が高いと思ってしまいますよね。

 

12.確証バイアス「自分に都合のよい情報だけを集める」

人は無意識的に自分の都合のいい情報や先入観を裏付ける情報だけを集め反する情報を探そうとしない傾向があります。

参考例
  • 無意識に自分の都合の良い情報のみ意識が傾き都合の悪い情報は無視してしまった
  • 気が付いたら自分と同意見や都合の良い情報ばかりみていた

情報を集める際はこの傾向を認識して都合の悪いや反対意見を意識して集めた方が良いかもしれません。

 

13.アポフェニア「法則をみつけようとする」

規則性のないランダムな事柄に規則性や関連性を見つけようとする傾向があります。

参考例
  • テクニカル分析
  • チャートの形

規則性をみつけられれば、勝てる確率も上がりますよね。
しかし、規則性がないのに規則性・関連性をみつけようとしてもあまり意味をなさないですよね

 

14.代表性バイアス「型にはまっている」

代表的な事例を基準にして物事を判断する傾向です。
一度「あるべき姿」を思い描いてしまうと、新たな情報がもたらされた後にも、その「あるべき姿」から逃れられなくなってしまう現象でもあります。

参考例
  • この株は上がる銘柄、下がる銘柄だ
  • この銘柄・会社はずっと安定している

固定観念や最初の印象で「これはこうだ」と決めつけないように。

 

15.ハロー効果「目立つ部分にしか目がいかない」

ある対象を評価をする時に、それが持つ顕著な特徴に引きずられて他の特徴についての評価が歪められる(バイアス)現象です。

参考例
  • 良い情報が出てくると、その部分だけが強調されて極端によく見えたりする。
  • 目立つ部分の情報のみしかみていなかった。

目立たない場所にも重要な情報があると思いますよ。

 

16.フレーミング効果「表現が変われば印象も変わる」

意思決定するとき説明や表現方法が違うだけで受け手の受け取り方がちがうことです。

参考例
  • テクニカル派・ファンダメンタル派

言葉や視点が少し異なるだけで惑わされないでくださいね。

 

17.ピークエンドの法則「終わりよければ全て良し」

経験の記憶を印象にのこるのはピーク時と終了時でありそれしか覚えていないことです。

参考例
  • 買う瞬間と最後に売る瞬間以外は覚えてない。

覚えていることもあるとは思いますが、印象にのこりにくい過程は覚えていないことが多いのかもしれませんね。

 

18.単純接触効果「何度も見たり聞いたりすると好きになる」

繰り返し接すると好意度や印象が高まるという心理効果です

参考例
  • 何回も同じ銘柄や人や投資情報などを見ていると買いたくなる。

恋愛にもあてはまりますが繰り返し接すると印象・好意があがりますよね。

 

19.バーナム効果「一般的なことを自分だけに当てはまると錯覚」

誰にでも該当するような曖昧で一般的な性格をあらわす記述を、自分だけに当てはまる性格なものだと捉えてしまう心理です。占いなどもこの心理です。

参考例
  • 誰にでも当てはまりそうな事を言われると当たってる!と錯覚し、正しいと判断する。

あなたにも当てはまっているだけであなただけに当てはまっているわけではないので注意してくださいね。

 

20.コミットメントと一貫性「最初に決めた投資判断を変えられない心理」

一度心に決めたことや実行したことに矛盾のない行動を今後も行いやすいという人間の性質を表します。

参考例
  • 初めはルールに疑問があったとしても、ルールに従っていくうちに
    そのルールを体では当たり前のように実行するようになる。

 

21.希少性「入手困難なものに高い価値を感じる」

人が欲している量(需要)に比べ、利用できる量(供給)が少ない時、そのものの価値が高くなる、または高く思える心理的な現象です。

参考例
  • ストップ高になった銘柄を買いたくなる

わけあって供給が追いついていないだけかもしれませんのでよく調べてくださいね。

 

22.カリギュラ効果「禁止されているものに魅了を感じる」

禁止や制限されているものに高い価値を感じる傾向です。

参考例
  • やるなと禁止されるほどその物事に興味が湧き、ダメだとわかっていながらそれをやってしまう

不思議な心理ですよね。取り返しがつかない場合もあるのでよく検討してくださいね。

 

23.インパクトバイアス「動いてる株に興味が湧く心理」

変化するものばかりに目を向け、変化しないものを忘れてしまうことです。

参考例
  • 値動きが激しいものばかりに目がいきやすい

変化の激しいものは必ず理由がありますのでよく調べてくださいね。

 

【投資と人間心理】自分が正しく価値が高いと思いたい12の心理

自分が正しく価値が高いと思いたい12の心理

だれしも自分自身、判断、考え、行動に自信をもちたいし良い評価をしたいですよね。人の弱さでありモチベーションでもありますよね。投資においても自分は正しいと思いたいですよね。

 

24.観察者バイアス「他人や物の悪いところばかりみてしまう」

他人やものをみる場合自分が期待する行動ばかり目がいき、それ以外の行動に注意が向かなくなる。
つまり悪い面ばかり見る傾向で良い面には目がいかないことです。

参考例
  • 今回のミスは運・環境など自分以外に原因がある。他人は相手の性格・能力など他人自身に原因がある。

自分のミスは自分以外に原因があり他人のミスは他人に原因があると考えてしまうんですね。

 

25.内集団バイアス「自分が所属する集団を高く評価する」

自分が所属する集団や評価の高い集団に属する人を高く評価することです。

参考例
  • 情報収集でだれかの意見を信じて銘柄を買ってしまう。

自信がない、他人を信じやすい人が陥りやすいと言われています。

 

26.社会的手抜き「集団に依存する心理」

集団で共同作業を行う時に一人当たりの作業の遂行量が人数の増加に伴って低下する現象のこと。
つまり集団になると人まかせになり自分で考えなくなることです。

参考例
  • 優秀だと思った人の言うことをそのまま聞いて自分で考えなくなる。
  • 努力せずとも情報をもらえるので、努力しなくなる。人や集団に依存する。

誰かがやってくれるだろうって思ってしまいますよね。

 

27.偽の合意効果「他人が自分と同じ考えだと思う」

他人も自分と「同じ考え」や「同じ知識」を持っていると思う傾向です。

参考例
  • 周りは自分と同じように考えていると見なしたがる。
  • 他人と自分の意見が違うのを嫌い反論されただけで、すごく怒る人がいる。

自分と異なる意見をきいて参考にするのも大切ですよね。

 

28.自己奉仕バイアス「成功は自分の手柄、失敗は他人のせい」

成功を当人の内面的または個人的要因に帰属させ、失敗を制御不能な状況的要因に帰属させること。 つまり、成功は自分の手柄とするのに失敗の責任を取らない人間の一般的傾向です。

参考例
  • 自分の投資法が上手だったから良い結果がだせた。
  • 相場・悪いニュースがあったから失敗したんだ。(自分は悪くない)

成功した理由は自分のおかげだが失敗は自分以外が原因だと考えてしまうってことですね。

 

29.保有効果「自分のものに価値を感じる」

自分が所有するものに高い価値を感じ、手放したくないと感じることです。

参考例
  • 買う前は上がるのかと不安だったが、買った瞬間にすごく良い銘柄に思えてしまう。

愛着に近いのかもしれませんね。自分のものはかわいくみえますよね。

 

30.自信過剰

自分の能力や知識を過信する傾向です。

参考例
  • 自分の判断は間違いない

自分を過信しすぎると周りがみえなくなってしまいますよね。

 

31.根本的な帰属の誤り「環境や状況を評価しない」

他者の行動を説明する際、個人的な特徴や性格などの内的な要因を過剰に重視してしまうことです。

参考例
  • A銘柄が上がっているので、同じテーマのB銘柄も上がるはずだ!
  • なぜならB銘柄よりもA銘柄よりも割安だからだ!

 

32.希望的観測「希望にすがる」

「そうあって欲しい」とか「そうだったらいいな」という希望に影響されて判断を行うことです。

参考例
  • 買った銘柄が値上がりしてほしいな

 

33.社会的証明「他人の考えに同調する」

他人の考えや思想に影響を受け自分の判断や行動を決定する傾向があります。

参考例
  • みんなが買っているからそれを買う

他人が間違っていた場合には間違った結果に繋がってしまいますよね。

 

34.ミルグラム効果「権威に従う」

科学者や専門家など権威あるものからの情報を信じやすく影響されやすいことです。

参考例
  • この人が言うなら確かだ

権威のある人が正しいとはかぎりませんよね。

 

35.心理的リアクタンス「自由に選びたい」

自分の行動や選択を自分で決めたいという人間本来の欲求が犯されると思うと、無意識に抵抗してしまうことです。

参考例
  • 今回だけは儲かりそうだだからルール無視してもいいや

時と場合によりどちらが良い判断なのか難しいですよね。

参考資料 論文
意思決定におけるバイアス矯正の研究動向
立教大学大学院現代心理学研究科 相馬 正史 立教大学現代心理学部 都築 誉史
https://core.ac.uk/download/pdf/293147033.pdf

 

現在の心理はいつからどのように形成されたのか

現在の心理はいつからどのように形成されたのか

これまでさまざまな心理をみてきました。なぜこのような心理が起こるのでしょう。そして現代の人間の心理はいつから形成されたのでしょう。心理の起因を一緒に考えていきたいと思います。

 

石器時代から本能として身についたもの!?

人間の心理に関する論文や情報をみた結果、人は「リスク」にたいして間違った心理を起こしやすいようです。
リスクを回避する、軽減するために石器時代から進化する過程で人間がみにつけたのが有力な説のようです。
上記を仮説とした場合、起因となる「石器時代のリスク」とはいったいなにがあったのでしょうか。
そして現代にどのように影響しているのでしょうか。
論文「リスク認知バイアスの進化心理学的な解釈」(財)電力中央研究所によるとこのようになっていました。

「石器時代の主なリスク事例」

石器時代の主なリスク事例

引用元 「リスク認知バイアスの進化心理学的な解釈」(財)電力中央研究所 https://criepi.denken.or.jp/jp/serc/discussion/download/11033dp.pdf

 

「現代の対応するリスク事例」

現代の対応するリスク事例

引用元 「リスク認知バイアスの進化心理学的な解釈」(財)電力中央研究所 https://criepi.denken.or.jp/jp/serc/discussion/download/11033dp.pdf

 

「石器時代の主なリスク」として敵襲<飢餓<毒の摂取<毒の摂取<被食・病気(下痢)の順となっています。

これらのリスクにたいしての意思決定のプロセスが進化の過程で「本能」として現代人にみについたと考えるのが有力だと考えられます。
そのリスクに対し、回避・軽減するために意思決定プロセスを形成していったのでしょう。

現代では、石器時代のリスクは改善され現代のリスクの内容は異なります。
しかし、現代の意思決定において無関係とは言い難いと考えられます。

その他参考資料
行動科学の視点から見た行動経済学 亀田 達也(東京大学大学院教授)
https://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2020/01/pdf/028-038.pdf

 

今後の意思決定においてお役立てください

現代心理はいつから断定は難しいですが、
現代において「本能」として意思決定に大きな影響をおよぼしているのは確かでしょう。

紹介してきた「人の心理=本能」を矯正や克服することはなかなか難しいですが、
これらの心理を認識することで正しい意思決定に結びつけることはできるのではないでしょうか。

現代においても心理を利用したサービスやビジネスが多々事例がありますよね。

投資においても人間が介在している限り、多くの人間の心理や感情が影響を与えていると考えた方が良いのではないでしょうか。
投資で失敗しない、良い結果を導くために人の心理は無視できない要素であるのは間違いないでしょう。