総被害額6兆円!見抜けないと人生が破綻する投資詐欺の有名手口_投資詐欺案件事例集
貯蓄から投資へ
の号令の下、日本にも投資に関する情報が増えてきました。
というより、不動産投資をはじめ元からたくさんあったけど
一般の人も目にする機会が増えてきたって感じかな。
いまやCMでもよく流れてくる投資や資産運用という言葉
でもそれにくっついてくるイメージは決まって
怖い
怪しい
騙されそう
つまりは詐欺にあうのではないかという不安。
老後2000万問題が出てるが、financialcollegでは8000万から1億というお金が必要と算出している。
現代になって「貯蓄から投資へ!」と投資を勧めているが、
判断基準も何もできていない人の元へ商品を売るプロ(詐欺師)がやってくるから
そんなん素人が防げるわけない!
なので今回は、我々の元に詐欺案件というのはどのように来るのか
そのメカニズムをお伝えします。
※具体的な見抜き方、防御法は「投資詐欺の見抜き方5つのポイント_怪しい話をもらったらここをチェック」を参照
投資詐欺の手口
昔からほとんど仕組みは変わらない
投資詐欺は、その9割が
【ポンジ・スキーム】
と呼ばれている手口の焼き直しで作られている。
由来は、約100年前の天才詐欺師、「チャールズ・ポンジ」が行った手口から来ている。
チャールズ・ポンジ(1882年3月3日 – 1949年1月18日)
チャールズ・ポンジの詐欺の手法は、徹底して投資運用していると”見せかける”こと
1903年に移民としてアメリカに渡り、国際的な通信販売のビジネスに乗り出すが、その際、海外で購入する国際返信切手券による切手の交換レートと実際の外貨交換レートに差があり、利ざやを得ることができることに着目。そこでポンジはこの利ざやを利用した投資スキームを作って投資を募り、米国ニューイングランド地方の住民数千人から、金を集めだした。
1919年から、90日間で40%の利回りが得られるとの触れ込みで出資者を募り、ニューイングランドを中心に数千人から数百万ドルもの大金を集めた。しかし、ポンジは資金を国際返信切手券の購入に充てず自転車操業的に出資者への配当に当てていた。
後の調査で破綻させることが前提の詐欺であることが判明、詐欺罪で有罪となり刑務所に収容。不特定多数に出資を求める詐欺(ネズミ講を含む)の総称であるポンジ・スキームという言葉の由来として名を残す。
つまりは
◆健全な運用の場合
1 出資者からお金を集める
↓
2 集めたお金を投資や事業で運用する
↓
3 利益の一部を配当する
のところ
◆ポンジ・スキームによる運用
1 出資者からお金を集める
↓
2 運用しているように見せかけ実際は何もしていない
↓
3 新しい投資家から集めたお金を利益のように見せかけ古い投資家へ分配する
配当(のように見せられたお金)が入ってくるから、初めは疑い少額しか投資していなかった人たちも、追加するわ回りに紹介するわで新しいお金がどんどん流れ込む。
しかし集めたお金はただただ流出し続けているだけなので、いずれ資金はショートし破綻する。
現代にも生きるポンジの陰
チャールズ・ポンジが作り出した史上最古の詐欺案件
それから100年経った今でも、巷にはあの手この手と形を変えた「ポンジ・スキーム」が横行してるんです。
実際にあった例をいくつか出します。
摘発年/被害総額/被害者数(約)
- エビの養殖投資(ワールドオーシャンファーム)
・「フィリピンでのエビの養殖事業に投資すれば、1年後に元金が2倍になる」
H.20 / 849億円 / 35000人
- 和牛商法
・和牛信託オーナー募集「預託契約金250万円、期間2年、利回り7.4%/年」
H.20 / 387億円 / 14000人
- L&G独自通貨商法(円天)
・「100万円を1年間預ければ3ヶ月毎に9%の利子を支払い、満期日には元本を戻す。」
元本保証で寝具などの健康関連商品を買える独自の通貨を支給。
H.21 / 1285億 / 40000人
6兆円以上の被害総額!史上最大の投資詐欺も手口は一緒
そして、2008年に世界最大規模の詐欺がありました。
連日ニュースにも取り上げられていたので、覚えている人もいると思います。
その詐欺師の名は、
「バーナード・L・マドフ」
元NASDAQ会長。
*NASDAQ=アメリカにある世界最大の新興企業(ベンチャー)向け株式市場
マドフは、30年にも渡って人々を騙し続けた。
それも世界中の金融のプロや、金融機関まで。
例えば、
サンタンデール(スペイン最大の銀行) 2800億円
HSBC(香港上海銀行) 1250億円
RBS(ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド) 560億円
マングループ(マン島) 450億円
野村ホールディングス(日本) 380億円
などなど
その被害総額は、600億ドル
=日本円で6兆円以上
と言われています。
被害者は世界トップレベルの金融機関ばかり。
この規模まで膨らんだら、何が何か分からんですよ、実際。
この詐欺を一言でいうと、
「資産運用している振りをして30年間もお金を集め続けた」
ただそれだけ。だから仕組みは簡単。
一般的な投資は、集めたお金を事業なり投資なりで運用し
その運用益を配当します。
イメージとしてはこんな感じ。
でもマドフ氏は、新しい投資家から預かった資金を
古い投資家へ配当として支払っていただけだった。
新しい投資家が増え続ける限りは破綻しない、自転車操業。
しかし、サブプライムショックにより各金融機関が出金要請。
その額、6000億円。
マドフはこの金額を用意出来なかったため、詐欺事件として明るみにでた。
逮捕されたマドフには懲役150年が言い渡され
この事件は「ウォール街最悪の詐欺事件」と言われています。
そして日本で有名になった詐欺話も、ほとんどポンジーです。
エビも、和牛も、円天も、、、
都合が良すぎる投資は、ポンジスキームでないか疑いを持ちましょう。
我々に案件が降りてくる意図を考える
ぶっちゃけた話、美味しい案件というのは…あります。
ただしそれは、最低金額5000万~1億とか、そんな規模の話になってきます。
つまり、美味しい話は、お金持ち同士の間だけで完結し、我々のもとには降りてこないのが常です。
なぜか?
例えば10億の案件があるとして
1口1億円で、10名の投資家さん(顧客)で運用するのと
1口100万円、1000名の投資家さんを抱えるのと
運用側としてみたら、管理コストはどちらが楽だと思いますか?
言うに及ばずですよね。
特に、えてして配当が滞ったときなど、何かトラブルがあったとき真っ先に騒ぎ出すのは小口の貧乏人投資家なんですよ。
つまりは、経験豊富で目の肥えた本物のお金持ちは騙せない、もしくは美味しいと思われない、質の悪い案件だけが、小口に金額を細かくして、まだ未熟で経験値の少ない我々のもとへ降りてくるんです。
小口に分けなければ売れない理由が、そこにはあるんです。
最近でも月利30%とか、冷静に考えればあるわけない配当額の案件が後を絶ちません。
あなたがもし仮に月利30%以上(管理運営費、自分の取り分も含めたら月利50%近く必要)も運用成績を上げられる案件を持っていたとして
わざわざ不特定多数の人に紹介しますか?
「この案件を売ってる人は、どうして売りたがっているのだろう」
と、売る側(セルサイド)の視点に立って意図を考えてみるのも、投資詐欺を見抜く良い材料になるかもしれません。
そんな多角的な視点、判断基準を身に着けたい方は、お金の『感性』が身につく勉強会financialcollegへ!