
「年金2000万円問題」「消費増税」「コロナショック」…
新聞やニュースを見ると不安をあおる記事ばかり。
いままで頑張って貯金してきたのに、突然世の中の流れが
- 「貯蓄から投資へ」
- 「自分で年金を作る時代」
に変わってしまった。

そんなふうに感じる方からの、ご相談が増えています。
もしかしたら、あなたも同じ思いかもしれませんよね。
もしあなたが今「投資」をはじめたい!と思うならば、まずは「投資」の意味や心構えから考えてみることをおすすめします。
投資を理解することは、人生において非常に重要な意味を持っています。
まずはご自身にとっての「投資」の意味を冷静に考えるところから始めてみましょう。
もくじ
投資が初めてのあなたが一番最初にやるべき3つのこと
はじめにちょっと質問です。
多くの日本人が「投資を始められない理由」ってなんでしょう?
投資未経験者にアンケートした結果があります。
- どのように始めたらいいか分からない(58.3%)
- 勉強の仕方が分からない(55.0%)
いかがでしょうか?
「具体的」に何をすれば良いかがわからないという人が多かったそうです。(SMBC日興証券株式会社調べ)
インターネットで「投資」を検索すると、なんと5億件以上のページがでてきます。
そのほとんどが「株」「投資信託」「FX」といった金融商品の紹介であることが多く、調べれば調べるほど「じゃあ結局何を買えばいいの?!」となってしまって、はじめられない。
もしかすると、あなたもそうじゃありませんか?
ここではあなたが投資をはじめるためにやるべきことを3つだけお伝えします。
- 投資目的を明確に
- 目標額、期間を決める
- お金が増える方程式を理解する
まずこの3つを理解して、あなた自身が投資を始めてみましょう。
1.投資目的を明確に
「あなたの投資の目的はなんですか?」
もしこのような質問をされたとき、あなたはどう答えますか?
- お金が欲しい、増やしたい
- 周りが始めてるからやってみたい
- 欲しいものを買いたい
- マイホームが欲しい
- 結婚資金を貯めたい
なんとなく思い浮かぶ理由があるかもと思います。
”投資信託の保有動機”を日米で調査した結果、こんな面白いデータがあります。
・アメリカ人の保有動機第1位・・・老後資産形成
・日本人の保有動機第1位・・・特に目的はない

出典元:「日米家計のリスク資産保有に関する論点整理」日本銀行情報サービス局2016年2月調べ
あらためて、質問です。皆さんの投資目的は何ですか?
・お金がほしい、増やしたい
・もっと遊びに使うお金が欲しい
・毎年海外旅行へ行きたい
・起業資金を稼ぎたい
・老後の生活資金を確保したい
年齢や収入額、家族構成によって「投資」の目的も人それぞれ違うでしょう。
最適な投資というのは、人によって異なります。しかし、残念ながら世の中にあふれている情報のほとんどが「投資商品」の紹介。
どんなにインターネットで投資のやり方を調べても自分にあった方法なのかがわからない、一番の理由は「目的」が決まってないことなのです。
まずはあなた自身が「何のために投資をするのか」と目的を明確にすることが投資をはじめる第一歩です。
2.目標額、期限を決める
投資する目的が明確になったら、次のステップへ進みましょう。
- あなたは「いつまでに」、「どのくらい」必要ですか?
目的が明確になったあなたへ質問です。
「あなたはいつまでに、いくら必要ですか?」
どうでしょうか?
- お金が増えればいくらでも良い
- そのうち結婚したいので結婚資金がほしい
- 起業したいので、まとまった金額がほしい
など、もしかしたらまだ具体的な「時期」や「金額」が決まっていないかもしれません。
しかし、これからあなたが投資をしていくためには、目標を明確にする必要があります。ではなぜ明確な目標が必要なのでしょうか。
”達成計画や期限なしの目標を設定することは、目標自体を設定しないにも等しい。”
これは「世界中で最も多くの読者をもつ自己啓発書作家」と呼ばれたベストセラー作家のオグ・マンディーノ氏の言葉です。
- 毎年年始の抱負をたてるけど、できたことがない
- ダイエットするけどやせられない
- 筋トレしてもつづかない
あなたも一度は経験したことがあるのではないでしょうか。
曖昧な目標は達成できません。これは投資の世界でも同じことなのです。
それではあなただけに、具体的な目標の立てかたをアドバイスしてみましょう。
「そのうち結婚したいので結婚資金がほしい」を例にして説明します。
- いつまでに? →3年後
- いくら? →結婚式200万円と旅行と引越し費用で100万円で300万円
- どうやって達成するか? →これから決める
と具体的に設定します。
『3.どうやって達成するか?』というのは、目標の数字から逆算して決めていきますが、これは次のステップで説明しますね。
もしあなたが「今すぐに具体的な目標なんて出てこない」と思うのでしたら、
- 毎月の預金額を1万円を増やす
のように、身近な目標で良いので書き出してみましょう。
3.お金が増える方程式を理解しよう
「お金が増える方程式を知ってますか?」
お金が増える方程式
①「収入」-「貯金」=「支出(生活費)」
当たり前じゃん!と思うでしょう。でも、こう思ってませんでしたか?
②「収入」ー「支出(生活費)」=「貯金」
①と②は似ているようで、全く違うのはおわかりですよね。②は貯金ではなく、「その月に(たまたま)余ったお金」です。
これからアナタが「投資」でお金を稼ぐことができたとしても、この方程式を理解していないとお金を手元に残すことはできません。
イギリスの歴史・政治学者パーキンソンが提唱した「パーキンソンの第2法則」では、こう説明をしています。

例えば、安アパートに住んでいた学生が就職と同時に広いアパートに引っ越す。そして年収が上がるとともに、部屋が広くなり家具や家電が立派になる。
結果として年収が高くなっても貯金ができない、という人が多いのが現状です。
逆にいえば、あなたが「お金が増える方程式」を実行して、「支出」を減らす(コントロールする)ことが出来たら、収入が同じでも「貯金」を増やすことが出来ます。
そして、このスキルは「一生使える」ので、ぜひ支出のコントロール始めてみましょう。
収入を増やすその前に、「お金が増える方程式」を実践して「貯金」を増やせる体質にしましょう。
投資をはじめるその前に、知っておきたい3つの基本
「あなたが考える投資のイメージとは?」
下画像で示すように、2018年に三菱UFJフィナンシャルグループが全国1万人を対象にアンケート調査した結果、投資未経験者が持つ投資のイメージは、投資は生活とかけ離れた「特別なこと」だったそうです。

画像出典元:https://www.tr.mufg.jp/shisan-ken/pdf/kinnyuu_literacy_01.pdf
もしかしたらあなたも今同じことを考えているかもしれませんね。
一度でも投資を経験したことがあるひとはわかると思いますが、投資は決して「特別なこと」ではありません。とても身近なことなのですが、意識していなければ気づかないのも事実だと思います。
なので、ここからはあなたが「投資をはじめる」前に知っておきたい3つの基本をお伝えします。
- リスクとリターンの関係を理解する
- 単利と複利の違い
- 「投資の神様」ウォーレン・バフェット氏が勧める最高の投資
1.リスクとリターンの関係を理解する
「あなたはリスクは好きですか?」
きっと「リスクは嫌い」と答えると思います。
もしかしたら、こんなふうに感じていませんか?
- 怖い
- 危険
- 損をする
- 予期しない事が起こる
いかがですか?
ほとんどの人がこのようなネガティブなことをイメージされていると思います。
ここで投資におけるリスクを説明すると、投資のリスクは2種類あります。
- 損をするリスク → ダウンサイドリスク
- 得をするリスク → アップサイドリスク
リスク=損すること、と考えている人が多いと思いますが、実は投資におけるリスクとは損だけではなく、(想定外に)得することもリスクの一種なんです。

というのは、想定外に得をするリスクをとっていた、ということなのです。
また、リスクの高低については、このように考えてみてください。
- リスクが高い ・・・万一の損失は大きいが、利益も大きい
- リスクが低い ・・・万一の損失は小さいが、利益も小さい
これらは価格のブレ幅の大きさを指し、上下の幅はほぼ同じです。100万円利益を得られそうな投資は100万円減る可能性がある、ということですね。
先ほどの例をみると、「10万円のリスクをとっていたつもりが、実は気づかないうちに50万円のリスクをとっていた。結果としてはたまたま増えたが、50万円減る可能性もあった。」ということです。

さて、ここで問題です。
リスクのなかで一番怖いものはなんでしょうか?
答えは、「リスクを取らないことによるリスク」です。
先ほどの例は、投資をした後に起こるリスクですが、リスクというのは普段の生活にも密接に関係しています。
あなたの周りにもこんな方はいませんか?
- お金は銀行に預けていれば損をしないから大丈夫。
- わざわざお金を払って投資や副業の勉強なんてしない。
このようにリスクを取ってないから大丈夫!という人は本当にリスクがないのでしょうか?
「リスクを取らないことによるリスク」とは、今そのリスクを取らないことによって、将来自分にどのような影響があるかを予測できていない状態のことを指します。
例として、正社員として会社からの給与だけに頼っているとしたら、「今後の倒産、リストラなどに対応できない」状態と言えます。
ここでは副業や投資を(リスクを取って)始める。そして、いざという時に備えて、収入の柱を増やしておく。
自分の将来の目標に対して長期的に考えることで、リスクはコントロールしてつきあうものです。
投資の世界でも、今回のコロナショックのような疫病リスクや地震などのカントリーリスクなど
様々なリスクがあります。これらのリスクを把握し、コントトロールすることを「リスクマネジメント」といいます。
まずはリスクを分析し、向き合うことから始めましょう。
単利と複利の違い
投資とは、目標に向けて長い期間かけてで行うことが重要です。そのときに目的に応じて「単利」「複利」の考え方を使い分けることが必要になっていきます。
ここでは資産を増やすときの考え方を説明していきます。
単利と複利の考え方
- 【単利】 元本を変化させずに、次回の利息を決める。(配当型)
- 【複利】 元本に利息を加えて、次回の利息を決める。(再投資型)
例として、100万円を年利10%で運用した時にいくら増えるか計算してみます。
- 10年後
- 単利:200万円
- 複利:259万円(+59万円)
- 20年後
- 単利:300万円
- 複利:672万円(+372万円)
10年後では単利と複利の差は59万円とわずかですが、20年後だと372万円の差ができました。複利で運用をする場合、期間が長くなるほどに得をすることがわかると思います。

参考例:単利運用と複利運用の比較
利息が元本となって新たな利息を呼び、その額は毎年膨らむことから「スノーボール(雪だるま)」とも言われています。
単利は短期間での投資、複利は長期的な投資と目的に応じて使い分けていくことをおすすめします。
「投資の神様」ウォーレン・バフェット氏が勧める最高の投資
「世界一の投資家が誰か知ってますか?」
きっとほとんどの人が、ウォーレン・バフェット氏の名前をあげるでしょう。
この50年間、複利計算で約21%の利益を出し続けている、まさに「世界一の投資家」ですね。そのバフェット氏が勧める最高の「投資先」とは何だと思いますか?
答えは「自分自身」です。
有名なバフェット氏の言葉を引用します。

最終的にその他のどのような投資にも勝る投資は、自分自身への投資だ。何であれ、自分の弱点だと思う部分の改善に取り組む必要がある。そして、それは今すぐ始めるべきことだ。
あなたが自分自身に中に持っているものを、誰も奪い取ることはできない。そして誰にでも、まだ使うことができていない潜在力がある。能力をつけることによってあなたが10%、20%、あるいは30%高めた潜在力は、課税されてなくなることも、インフレによって失われることもない。生きている限り、持ち続けることができる。
自分のスキルアップや経験のためにお金を使う(自己投資)ことで、確実に成長をしていくことができます。しかもその成長は複利であなたの資産として積み重なっていき、税金もかからない。
あなたも自分への投資をはじめてみましょう。
- 好きな会社の株を買ってみる
- 副業スキルを身に付けるためにスクールに行く
など、なんでも良いので小さなことからはじめてみるのをおすすめします。
投資初心者のよくある失敗と成功するために必要なこと
ここまで読んで「わたしも投資をはじめてみよう」と思ったあなたが一番気になるのは、
「はじめての投資でうまくいくのか?」ではないでしょうか。
ここからは「初心者が間違いやすい」情報の読み解きかたや、実際にどうやってはじめるかについて触れていきます。
「おいしい投資」は存在しない
「確実にもうかる投資の情報が知りたい」
いかがでしょうか。多くの方がこのような質問をされます。
ネット上には「元本保証」「年利50%」「簡単」「すぐにもうかります!」といった情報があふれているので、もしかしたら「おいしい投資」が世の中にあるのではないか?と思ってしまうかもしれません。
「おいしい投資」って本当にあるのでしょうか?
「投資」を「恋愛」に置き換えるとわかりやすいかもしれません。もしあなたが友人から、こんな質問されたらどのように答えますか?
「フラれたくないから告白するのは嫌。でも確実に恋人をゲットできる方法を教えて欲しいい!!」
いかがでしょうか。「そんなの無理だよ」と答えるのではないでしょうか。
投資も恋愛も同じです。「確実にもうかる」ものはありません。。リスクとリターンの関係でも説明しましたが、リターンがあるものは全てリスクがあります。
仮に「確実にもうかる」投資があった場合、こんなことが起きると思いませんか?
- 多くの人が投資したい!と殺到する
- 投資する人数が増える
- 利益に対して人数が増えるため、一人当たりの利益が減る
日本の銀行預金をイメージするとわかるかもしれません。
「誰でも、確実に、利息がもらえる。ただし年利0.001%」といった内容で、多くの人が銀行に預けています。ただしそんな銀行でも破綻したら最大1000万円までしか保証されないので実際には「確実」ではありません。
あなたがこれから投資をしていくとき、安易に「おいしい投資」に飛びつかず、自分の目標を達成するために必要な金額から逆算してはじめていきましょう。
- 「確実にもうかる投資はない」と知る。
- 自分が許容できるリスクの範囲で「投資」をはじめてみましょう。
「情報」の取りかた
「専門家」の肩書きを持つ人たちがテレビや雑誌で「この株が注目!」とか、「日経平均は○○円まで上がる!」などと話しているのをみたことがあると思います。
なんとなく「専門家」がいう情報なら間違いない!と思ってしまいますよね。
ただ「専門家」の予想と結果を調べた結果によると、コインを投げて「買い」「売り」を決めるのとほとんど変わらないのだそう。
ではなぜ「専門家」は当たらない情報を流し続けているのでしょうか?
これはポジショントークといって、自分たちの都合の良いことを「情報」として発信しているんですね。
先ほど書いた「専門家」とは銀行や証券会社の人である場合がほとんどで、いわば株の「売り手」。なので専門家は「株を売る」ために情報を流していると考えると良いでしょう。
これから投資をはじめるあなたに、振り回されない「情報」の取りかた・読みかたを3つお教えします。
どの立場で情報を発信しているのか、その情報によって誰が得をするのかを調べてみることで、ポジショントークに振り回されなくなる。
記事を読む際は必ず「記事を配信している会社、または記者の所属先」をチェックしましょう。たまに自社のサービスを絶賛しているような広告(ステルス広告といいます)もあるので、注意が必要ですね。
2.真偽を判断する(根拠となるデータをみる、逆の情報も調べて比較する)
例えば「今後景気が良くなる」という情報をみたときは、「今後景気が悪くなる」人の意見・データをみることで、どちらの意見がより根拠が強いか客観的に判断するようにしましょう。
3.「事実」と「意見」を分けて読む
【事実】
・実際にあった事
・現実に存在する
・調査や実験など後から確認できる
・数字で証明されている
【意見】
・自分の考え(憶測の場合もある)
・存在していたかではなく、自分の判断
・調査や実験で確認できない
・数字で証明されていない
以前「最近の大学生は卒業後に奨学金の支払いで苦しんでいる」という報道がありました。
そのとき多くの専門家が「昔の世代は頑張って支払ってきた。今の若者は甘えている!」と話していました。
これは本当でしょうか?
専門家が言っているのはその人の「意見(感想)」であって、「事実」かどうかは別の話です。この場合「事実(データ)」をみるとどうなるか。
【事実】
- 国立大学の授業料
- 30年前 135万円
- 現在 214万円 (約1.6倍)
- 大卒初任給
- 30年前 17万円
- 現在 21万円 (約1.2倍)
大学の授業料は1.6倍に上がっているのに初任給は1.2倍しかあがっていない。
奨学金の支払いに困っている本当の原因は「若者が甘えている」ことではなく、「給料が上がっていないのに大学の授業料だけ高くなっている」ことがわかります。
「習う」より「慣れる」こと
ここまで読んだあなたは「投資」の基本が理解できたと思います。ここからは実際に投資を体験していきましょう。
このブログを読んだ後、あなたがまずやるべきことはこの二つです。
- 証券会社の口座を開設する
- あなたが自身がサービスを利用して満足した会社や応援したい会社の株を買ってみる
少額で構いません。投資家としてはじめの一歩を踏み出すことが大切です。
1.証券会社の口座を開設する
「証券会社が多すぎてどこを選べば良いかわからない?!」と思うかもしれませんが、最初は
・なじみがある(例.同じグループの銀行口座をもっている)
・取引手数料が安い
といった点でえらびましょう。
証券会社の口座は何社でも無料で作れるので、使ってみて不便だと思えば自由に変えることもできるので、まずは作ってみましょう。
おすすめ2社
1.楽天証券
ポイントは「日経電子版」を無料で読むことができます。
もしあなたが今新聞を定期購読していれば、毎月の新聞代をそのまま投資にすることもできるのでおすすめです。
2.SBI証券
ポイントは日本国内だけじゃなく、米国・中国・韓国・シンガポールなど多くの国を取り扱っているところ。
どちらも「売買手数料ゼロ」のプランがあるので、少額で始めたい人にとっては良いでしょう。
2.あなたが自身がサービスを利用して満足した会社や応援したい会社の株を買ってみる
はじめて株を買おうと思ったとき「どんな株を選んでよいかわからない」と感じるかもしれません。そんなときにおすすめなのは、「あなた自身がまた買いたい、利用したい会社」を選んでみてはいかがでしょうか。
実際に投資を体験したほうが理解が早くなるのと、投資した会社や業界のことからもしかしたら今まで興味がなかった「日本経済」についても学ぶきっかけになるので、まず始めてみましょう。。
まとめ
今回は、初めて投資をしようと思った方へ向けて、投資のポイントや考え方を中心にご紹介しました。
はじめてみることで得られる経験こそが大切です。自分の経験につながる「投資」、是非今日からはじめてみましょう。
