


ではまず最初に、日本人の「貯金好き」を示しているデータを紹介します。

出典:平成 30 年 12 月物価モニター調査結果(消費者庁)
消費者庁が発表している物価モニターの調査結果(平成30年12月)によると、「あなたは今冬のボーナスについてどのように使う予定ですか」に対して「貯蓄」と回答した人が最も多く約半数の48パーセント。
これだけみればやはり「貯金が好き」な人が多いと思います。なので、まず最初に適正な貯金額の決め方をご紹介します!
もくじ
適正な貯金額の決め方

それでは毎月の貯金額について質問です。どのように決めていますか?
・なんとなく月1万円貯金してます。
・収入の1割を貯金するようにしてます。
・決めてません。
もちろん収入によって金額はバラバラ、「貯金はボーナスが入ったときに考えます」という方も多いのではないでしょうか。
ここで2019年に日本銀行が発表した『家計の金融行動に関する世論調査』から、世帯年収300〜500万円の世帯における手取り収入からの貯蓄割合を調査した結果を紹介します。
手取り収入に対する貯蓄割合が10%未満と答えた世帯が全体の60%いることがわかり、その中でも「貯蓄しなかった」世帯が約40%いることわかりました。
これに対して貯蓄割合が手取り収入の10〜20%と答えた割合は全体の約20%で、20%以上貯蓄している世帯は全体のわずか7%。さて、あなたの貯蓄割合はいかがでしょうか?

貯金額は収入の○割?
インターネットで「貯金額 目標」と検索すると、200万件以上の記事が出てきます。そしてその多くが『収入の○割と定めて貯金をしましょう』とアドバイスをしています。一見わかりやすいアドバイスなので、「これなら私でも出来るかも」と思ってしまいがちですよね。
ただ実はこれが『一番やってちゃいけないヤツ』なので注意してくださいね。なぜなら「収入の○割」ってどこに根拠がありますか?
「『月収の2割を貯金しなさい!』と本に書いてあった通り実践してます!と実際に相談者から話を聞くこともあります。
しっかりと貯金を行っていること自体は素晴らしいです。ただ、そんなときに僕が必ずツッコむ言葉を紹介しますね。
「あなたは【いつまで】に【いくら】貯めたいのですか?」
ライフプランと貯金額
つまり、この例で言うところの「月収2割の理由」です。
「私は月収2割を貯金しています」と聞くと、しっかり考えて金額を決めているように見えます。ですが実際は、ほとんどの人が2割に設定した【理由】、【目的】を明確に持っていません。
そもそもですが、貯金する目的ってなんでしょうか?
・3年後までに結婚式用の資金を貯めたい
・どうしても車が欲しい
・海外に留学したい
もしこのような明確な目的があれば、「必要な費用は○○万なので毎月収入の△割を貯めていけば良い」というように貯金できます。『将来の目標』からの逆算なので非常に健全な貯金の仕方です。
しかし「老後のため毎月2割を貯金せよ」と言われ老後に備えていた場合、もしかすると結果的に必要なだけのお金が貯金できない可能性があります。
もしこれが「あなた」ならどうですか??
頑張って2割貯金し続けたのに老後の生活資金が足りない・・・。想像しただけでもかなり悲惨ですよね。
時間は巻き戻せない。
「もっとちゃんと考えて貯金をしておけば良かった」と後悔しても遅いわけです。
これから起きるイベントを考えてみましょう
ここでちょっとだけ考えて欲しいことがあります。
ご自身の人生においてこれから3年・5年・10年後どんなイベントが起こるでしょうか?

出典:金融庁HP『人生設計としてのライフプラン』
- 結婚
- 出産
- 育児
- 転職
- 海外旅行
- 洋服の購入
- 車の購入
- 住宅購入
- 親の介護
- 老後の生活…
あげればキリがありませんよね。でも、ぜひやって欲しいのは、次の3ステップのワークです。
必要な貯金額がわかる![3ステップワーク]
![必要な貯金額がわかる![3ステップワーク]](https://financial-college.jp/wp-content/uploads/2019/11/3stepwork.png)
ちょっと大変かもしれませんが、かなり重要なワークなので、しっかり実践してみてくださいね!そして、金額は一度決めても定期的に見直すことが大事です。あたりまえですが、未来のことは誰にもわかりません。
例えば、30歳までには結婚して子供は2人くらいと考えて順調に貯金額が増えていても、以下のようなことが起こりえます。
- 途中で身体を壊して医療費が想定以上に多くなった
- 突然の地方転勤で車が必要になった
想定通りに物事が進まないことなどたくさんあります。
僕たちはいつだって外部環境に振り回されます。なので、貯金額は定期的に見直してくださいね。
あ、ちなみに、大丈夫とは思いますがあなたはこのような事思ってませんよね?

『毎月のお給料から諸々の生活費を使い残ったお金を貯金しています!』

残念!
実はこのやり方は、貯金方法としてはダメダメなんです。
【収入ー支出=貯金】
これは「貯金」ではなく「余ったお金」ですからね。
銀行にお金を預けると…お金は減る
ここまでは、正しく貯金する方法をお伝えしてきました。
では一生懸命働いて手にしたそのお金は、どこに貯金していますか?
きっと、銀行に預けたままではないでしょうか?
銀行の預金残高は国家予算よりも多い?

金融庁のレポートによると、2015年の段階で個人の現預金が約900兆円でした。
毎年の国家予算が約100兆円なので、まさに「銀行預金=あたりまえ・常識」ということです。
でも、ちょっとだけ考えてみて欲しいことがあります。
“なぜ銀行にお金を預けているのですか?”
こう質問されたらちゃんと明確に答えられますか?
・お金を守ってくれる?
・お金を増やしてくれる?
・手元にあると使ってしまう?
確かに昔はそうでした。
しかし…現代ではどうでしょうか?
銀行は預金を守ってくれない

これまでは『預金者保護法』のもと預金先の金融機関の経営が破たんしても預金している全額が保護される、という決まりになっていました。
しかし2002年のペイオフ (預金保護)が解禁されたことで、保護される金額の上限が1000万円までになりました。

引用元:金融庁 預金保険制度〜私たちの預金と保護の仕組み〜
1000万円という金額はぱっと見大きく見えますが、生涯で考えると決して大きな金額とはいえません。
もし仮に、毎月28万円の生活費で65歳から85歳までの老後を生きようとしたら、トータルで【6720万円】必要です。
そう考えると、1000万円という金額はかなり低い金額なんです。
銀行は預金を増やしてくれない

過去、銀行預金の金利は12%もの時がありました(ゆうちょの10年定期)。これは例えば100万円をただ預けておくだけで年間12万円、何もしなくても貰えたという状態です。
ちょっと今の日本からは想像できませんよね?もし銀行に預けておくだけで年間12%も増えるなら僕も喜んで銀行預金します!!
でも悲しいことに、今の銀行金利は【0.001%】です。これは100万円を預けていても年間利息10円にしかならない利率。もっと言うと税金で20%引かれ実質8円です…
でもさらに酷いのが今の日本です。もし深夜のコンビニでお金を下ろしたらどうなりますか?
そうです、、、
「時間外手数料が掛かります!」とATMから言われて110円(高い場合は220円)取られますよね。
もうこの時点でアウト!!
年間利息10円以上のお金があっという間に消えてなくなります。
この100円を銀行預金で取り返そうと思ったら100万円を10年間預けないといけません。
でもそんなのシンドイし、現実的じゃないですよね?
時間外手数料とられないようにするのも、かなり無理があります。だから、もう無限ループですね。
微々たる金額かもしれませんが、チリも積もればなんとやらです。こうゆう仕組みがあるからこそ銀行預金ではお金が増えないし、どんどん減っていくんです。
まとめ〜現金は手元に無くても使える〜
昔はクレジットカードの流通も少なかったため、現金支払いの割合が多かったです。
しかし今は…クレジットカードだけでなく電子マネーの台頭でお金を使いやすくなってしまいました。
・モノを買うときも
・サービスを受けるときも
・電車やバスに乗るときも…
現金で支払う機会ってだいぶ少なくなりましたよね?
経済産業省のレポートによると、キャッシュレスの比率は2018年の時点で約24%になっており、政府の目標としては2025年までに40%まで引き上げようと推進しているとのことです。

出典:経済産業省『キャッシュレスの現状及び意義』
出典:経済産業省『キャッシュレスの現状及び意義』
キャッシュレスがあたりまえになると、「現金があると使ってしまう」ではなく「現金が無くても使ってしまう」そんな時代なのです。
・守ってくれない
・増やしてくれない
・現金は無くても使える
こうやって見るとちょっと怖いですよね・・・。でもそれが今の時代なんです。
それだけ『外部環境』がめまぐるしく変化しています。はたして今の時代銀行にお金を預けておくメリットは釣り合うほどにあるのでしょうか?
最後に進化論で有名な「ダーウィン」の言葉をお届けします。

まず「お金は銀行に預けるもの」という固定概念を壊すところから始めましょう。
Financial College事務局長の若木です。
いきなりですが質問です。「あなたは貯金は好きですか?」
いかがでしょうか?